「ヨンストン・鳥獣虫魚図譜」

「ヨンストン・鳥獣虫魚図譜」には ライオン、キリン、ピューマ、シマウマをはじめ鳥類、蛇、ワニなどありとあらゆる動物や鳥が銅版画によって克明に描写されていた。
江戸幕府はキリスト教を禁制し、鎖国を完成。ただし、貿易の利益は無視できないし、 貿易を独占するために長崎の出島を利用して ここにオランダ商館を置き、オランダと中国、例外的に朝鮮の3か国とのみ貿易を認めていた。
「ヨンストン・鳥獣虫魚図譜」は、1663年、オランダ商館長インダイクが4代将軍・徳川家綱に贈ったものだ。ところが、歴代将軍は、「ヨンストン・鳥獣虫魚図譜」を死蔵し、4代・家綱から7代・家継の代まで、江戸城の書庫に眠ったままとなった。
7代将軍・徳川家継が、1716年4月30日、わずか7歳で他界したため徳川家康の直系が途絶えた。
1716年8月13日に8代将軍として江戸城に入ったのは、御三家・紀州藩主だった徳川吉宗。 徳川吉宗は、享保の改革を断行する傍ら1717年、江戸城の書庫で「ヨンストン・鳥獣虫魚図譜」を発見し これに注目した。ヨンストンの「鳥獣虫魚図譜」は、動物百科事典のなかでも秀逸でありヨーロッパでも多くの人たちに長く愛された代表的作品といえる。
徳川吉宗は、彼の医官・野呂元丈に翻訳を命じ、1741年「阿蘭陀畜獣虫魚和解」が完成した。
<クイズ>
徳川吉宗は「ヨンストン・鳥獣虫魚図譜」の影響を受け、ある動物を実際に輸入したが次のどれでしょうか?
(ド)ゴリラ (レ)シマウマ (ミ)虎 (ファ)パンダ(ソ)ゾウ (ラ)ライオン (シ)ジャガー