「時計台のある丘」

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和歌山県の田舎の高校生だった私は、当初、慶応大学への進学を希望していたが、高校3年生のときに、父親を交通事故で亡くし、大学進学を諦めた。
しかし、周囲が「就職したい」という私に反対し、結局、大学に進学することになった。
お金のことが心配で、とても東京まで受験に行く元気はなく、関西では名門とされる関西学院大学に進学した。
西宮市にある関西学院大学を受験のために訪れて、ビックリしたのは日本離れしたキャンパスであったことだ。
西宮の丘に広いグリーンの芝生を前に赤い屋根とクリーム色の壁を持つ時計台が横たわり、地方から受験に来たわたしの目を見張らせた。
たまたま入試の成績がよく特待生として入学でき、学費免除のうえに特別奨学生として優遇され、お金の心配もせずにすんだ。
1929年に建造された関西学院大学時計台は、2009年に登録有形文化財に指定されたが、左右対称で簡潔な構造と、自然にとけ込む調和を併せ持っている。多くの人々が、一目見て魅了されるはずだ。
若いころお金に困っていた私は、今はそうではないが、苦しかった時に支援してもらった恩を、現在の生徒たちにお返しすることができたらと願っています。
建築後90年たつ時計台を、今年の春、再訪したい。