自惚れは足音がしない

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毛利氏の外交僧として織田信長との調停に尽力した安国寺恵瓊(えけい)が、戦国時代統一を目前にした織田信長を評した書簡は有名だ。
 
「高転びに、仰のけに転ばれそうずると見え・・・・」
 
「いつか足をすくわれて、仰向けに転倒するだろう」と評していて、明智光秀の謀反によって信長が本能寺で「高転びに転ぶ」のは、およそ10年後のことである。
 
向かうところ敵なし、わが世の春を謳歌する人にとっては古びることのない教訓といえる。
 
慢心を戒めた「自惚れには足音がしない」と語ったのは、歌舞伎の市川團十郎(19462013)。
 
長男の市川新之助(現・十一代目市川海老蔵)が、NHKの大河ドラマ「武蔵」(2003)に主演して茶の間の人気を博していた時のことだ。
「かねがね新之助にいっていることは自惚れというのは足音がしないんだ。お前、自惚れてるよと人にいわれてハッと思えるかどうかなんだ。自惚れれば向上心がなくなりますから。20歳代でそのような状態になったらエライことですから」
 
親の意見と冷や酒はすぐには効かず、あとからじわじわ効いてくる。