海難1890

海難1890
 
12月5日から公開されています。
 
イメージ 1
 日本とトルコの合作映画「海難1890」(田中光敏監督)が5日から公開されている。
1890年に和歌山県串本町沖で起こったオスマン帝国の軍艦「エルトゥールル号」の海難事故と、その95年後にイラン・イラク戦争でテヘランに取り残された日本人をトルコ人が救出したニつの事件をテーマに、日本とトルコの友好関係に迫る。
エルトゥールル号の乗員の介抱に尽力する医師・田村元貞を内野聖陽さん演じ、女優の忽那汐里さんが二つの事件のそれぞれのヒロインを12役で演じている。
 
 18909月、オスマン帝国から日本を訪れていた親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号は、和歌山県樫野崎沖で台風に遭遇し座礁。海に投げ出された乗員を救出すべく、医師の田村(内野聖陽)と助手のハル(忽那汐里)ら地元住民が総出で救出活動にあたり……という「1890年エルトゥールル号海難事故編」。
そして、1985年、イラン・イラク戦争が起きる中、空爆が続くテヘランに日本人が取り残されてしまい、日本大使館はトルコ政府に救援機の手配を要請。しかし、空港で救援機を待つ多くのトルコ人たちの姿があり、日本人学校の教師・春海(忽那汐里)をはじめ日本人たちは飛行機に乗ることをあきらめかけるが……という「1985年テヘラン邦人救出編」という2部構成。
 
 日本とトルコの友好125周年にあたる2015年、日本の外務省とトルコ政府の全面協力で製作された映画は、国同士の友好関係というものが政治的な対話だけではなく、民間レベルでの交流が不可欠ということを切々と訴えかけてくる。国が違えば文化や歴史など多くの違いがあるものだが、そうした違いを超えて同じ人間なんだということ、人が人を思いやる気持ちというものに国境はないということを示す今作のエピソードには、素直に感動させられた。
2部構成ではあるが史実を重視し、丁寧に描いている分、展開は遅めでドラマチックさも抑えめ。だがリアリティーと臨場感を伴った映像表現に圧倒される。
奇をてらっていないところに、今作に込められた真心を深く感じた。