MRJ美しさの秘密

MRJ:国産初の小型ジェット旅客機
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半世紀ぶり国産旅客機 

   
MRJの鶴のような流線型の機体は、最新の航空力学がもたらしたもの。
 
白色の細身の機体側面には赤、黒、金色の筋。三菱重工の関係者らが「歌舞伎のくま取り」と呼び習わしているイメージカラーだ。空気抵抗を減少させる翼端の「ウイングレット」に向かい、きゅっとせり上がった主翼。「きれいだよ、絶対、きれいだよ。ノーズから、コックピットに入るラインがいい。「空力的な美しさが、機体の美しさにつながっている」
 
 関係者によると、この「美しさ」は、機体性能を追求した結果がもたらしたという。MRJのアピールポイントは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)社製の最新型エンジン「PW1200G」を採用したこと。ライバル機に比べて2割低いという燃費性能をもたらしたが、従来の同じクラスのエンジンに比べ、直径が大きいという“難点”も持つ。そのまま主翼につり下げると、地面と接触しないように機体の脚を長めにしなければならない。地上高が高くなるため、整備や貨物の積み込みが難しくなってくる。
 
 そのため、三菱重工の設計陣は主翼の先端をせり上げることで、地上高を抑制した。こうして、鶴が翼を広げたような独特の形状が生まれたという。貨物室を座席の下側ではなく、機体後部に設けたことで胴体はほっそりしたものになった。機首も空気抵抗を最小限に抑えるため、新幹線のような流線型となった。
 
 「機体表面のアルミの滑らかさも美しさの秘密」。リベット(鋲=びょう)などによるでこぼこさがなく「日本の製造業の持つ、作り込みのすごさのおかげです」。
 
 
 かつては零式艦上戦闘機(ゼロ戦)など数々の名機を生み出した三菱重工業。「美しい飛行機を作りたい」と語っていた先人の航空技術者、堀越二郎のスピリットが今に受け継がれている。「美しい飛行機は性能がいいものです」