「高杉晋作」~世に棲む日日

「世に棲む日日」
司馬遼太郎著
 
高杉晋作を主人公に記された「世に棲む日日」は、高杉晋作が、長州藩政府打倒のため、挙兵し、伊藤俊輔率いる力士隊と他藩の浪士で構成される遊撃隊のみで馬関(下関)の総奉行と藩の海軍局を押さえた。
この成功が奇兵隊全体を動かし、長州の百姓たちが加わり、ついに佐幕派から政権を取り返す。
さらに、幕府による長州征伐で占領された大島を軍艦一隻で奪還し、小倉城を攻め、
幕軍を撃退した。
しかし、長州軍を勝利へと導いた高杉は労咳(肺結核)で倒れ、28年の短い生涯を終えた。
 
 
「世に棲む日日」 は、高杉晋作の死で終幕となる。
高杉晋作は詩や句を数多く詠むが、共感できるものが多い。
 
 
 
「艱難ヲトモニスベク、富貴ヲトモニスベカラズ」
人間というのは、艱難(かんなん)は共にできる。しかし富貴は共にできない。
 
 
 
「浮世の直(値)三銭」
生きていることの楽しみはたしかに多い。しかし、その裏側の苦しみもそれとほぼ同量多いであろう。その楽と苦を差引きすれば、浮世の値段はせいぜい三銭。
 
 
「生とは天の我れを労するなり。死とは天の乃ち我れを安んずるなり」
天がその生に目的をあたえ、その目的のために労せしめるという過程であるにすぎず、
死とは天が彼に休息をあたえるというにすぎない。
 
さらに
「天は、人に役割をあたえている。…」
 
 
勤皇攘夷を他のどの藩よりも先頭をきって活動した長州藩は、朝敵とみなされ、
さらに幕府により取り潰しになる直前まで追い込まれて、これまで攘夷を叫んできた誰もがなす術を持てない中で、高杉はまず行動に示すことで奇兵隊 隊員の考えを変え、
そして藩政権を変えていった。
 
自分はそのきっかけにすぎないと言っているが、その後の幕府軍との艦隊戦や小倉城攻撃においても、中心となって奇抜な作戦を指揮し、長州軍艦を勝利に導いた。
 
自分の考えに素直に生き、ときにまわりの人間が予想出来ないような突拍子もない事をして、それが世間一般で少々常識に外れる様なことであったとしても、自身の信条のために行動に移す。
そんな高杉晋作に魅力を感じる
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